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不妊について

不妊治療 【2】不妊症とは

どういった時に不妊症というのでしょうか(不妊症の定義)

避妊をせず、夫婦で普通の性生活をつづけると、1年で80%、2年で90%のカップルが妊娠し、残った10%の方はなかなか妊娠に至りません。そこで、2年間妊娠しなかった場合を不妊症としています。
 しかし、実際には不妊期間が1年程度でも、早くお子様が欲しい場合などは、検査や治療を行うことがあります。また、無月経など月経異常が明らかな場合には、早めに産婦人科を受診する必要があります。

不妊の原因にはどのようなものがあるのでしょうか

不妊の原因には、女性側に原因がある場合と男性側に原因がある場合があります。
 図5に分類したように多くの原因がありますが、中でも、女性側因子の内分泌因子(排卵)(27~28%)と卵管因(35%)、男性側因子(30%)の3つが主要な因子です。

それでは、女性側、男性側の不妊の原因となる主な因子について説明します。

女性側

内分泌因子(排卵)(表1)

卵子は胎児のもとになる細胞で、卵巣から卵子が出てこないと妊娠のしようがありません。内分泌異常、つまりホルモンバランスが悪いと、卵子の成熟、排卵、黄体形成などがうまくいきません。ホルモンバランスは、ストレス、短期間の急激な体重変化、肥満、やせなどで崩れます。また、多嚢胞性卵巣症候群といって、卵巣に多数の卵胞が存在し、ホルモンバランスが崩れ、排卵が障害される症候群があります。さらに、脳の下垂体から分泌されるプロラクチンが多い場合も無月経となります。プロラクチンが高い状態は、胃薬、うつ病の薬などといったある特定の薬剤の内服、下垂体にできるプロラクチン産生腫瘍や甲状腺機能低下などによって引き起こされます。

卵管因子(表2)

卵管は精子と卵子が出会う通り道です。この卵管が左右両方ともつまっていると妊娠はできません。卵管の異常は不妊の原因の中で最も多く、約35%を占めています。卵管の一部あるいは全部が閉塞する原因、また卵管と周囲とが癒着して通過障害を引き起こす原因として、骨盤内感染症、子宮内膜症などがあります。感染症では、性感染症のひとつであるクラミジアによる骨盤内の炎症性疾患が、近年増加傾向にあります。子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が子宮の外に存在し、月経周期に伴って増殖する疾患です。月経痛や腹部臓器の癒着を起こす原因のひとつとなっています。

子宮因子(表3)

受精卵は卵管を通って子宮内膜に到達し、着床します。子宮筋腫による子宮内腔の変形や子宮の形態異常などがあると、受精卵の着床が妨げられ、妊娠しにくい場合があります。

男性側因子(表4)

精子は男性の遺伝情報を卵子に運んでいく役割を担っています。腟内に射精された精子は、受精の場である卵管の先端まで移動しなくてはなりません。
男性の精液は精子と分泌物よりなっていますが、精液1ml 中に精子が 2,000 万個以上あり、前進する精子の割合が50%以上を正常所見としています(表5)。
なお、男性性器の形態を図6に示しておきます。

精子の形成・成熟障害

精索静脈瘤、停留精巣、染色体異常などでは造精能が低下します。また、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の後遺症で、精子成熟能が低下していることがあります。

精子移動障害

正常な精子形成・成熟能力があっても、精巣内外の精子の通り道が閉塞しているため、精液中に精子がほとんどみられない場合があります。先天的に閉塞している場合や、性感染症の炎症による癒着の場合があります。

その他(表6)

以上説明したものが主な不妊の原因ですが、それら以外にも不妊を起こす原因があります。例えば、精子に対する抗体が女性の体内にできてしまい、子宮や卵管の中で精子が動けなくなって妊娠が成立しない場合があります。また、検査をしても原因がはっきりしない方もいて、その場合は原因不明不妊と呼んでいます。

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