双胎妊娠
1. 双胎妊娠の種類
① 卵性による分類
二卵性双胎
2つの受精卵が同時に発生し、一緒に子宮内で大きくなった双胎です。
それぞれ異なる受精卵から発生した個体のため、血液型や性別が異なる場合もあります。
一卵性双胎
1つの受精卵が細胞分裂を繰り返す過程で2つに分裂し、双胎となります。
もともと1つの受精卵から発生しているため、基本的な2人の遺伝情報は同じです。
② 膜性による分類
二絨毛膜二羊膜双胎【DD双胎】
2人の赤ちゃんが各自の胎盤をもち、各自が絨毛と羊膜という2層の膜に包まれています。
一絨毛膜二羊膜双胎【MD双胎】
2人の赤ちゃんが1つの胎盤を共有し、その間が羊膜で隔てられています。
一絨毛膜一羊膜双胎【MM双胎】
2人の赤ちゃんが1つの胎盤を共有し、その間を隔てるものはありません。
2. 双胎妊娠の注意点
① お母さんに関するトラブル
妊娠高血圧症候群
単胎妊娠より約3倍のリスクと言われています。重症化すると母児共に危険となります。
弛緩出血
分娩後に出血が多量となることがあります。輸血が必要となる場合もあります。
その他
妊娠糖尿病や貧血、血栓症など、色々なトラブルの頻度が単胎妊娠より高くなります。
また、重症化することも多いため、より注意が必要です。
② 赤ちゃんに関するトラブル
流産•早産
双胎妊娠の早産率は約50%と言われています。
早産になった場合は、新生児科に入院し(NICUまたはGCU)、必要な治療を受けます。
状況によって、母体搬送もしくは新生児搬送が必要となる場合もあります。
胎児発育遅延
どちらか一人あるいは二人ともが小さめな発育となることがあります。
体重の増えが見られなくなったり、元気がなくなったりする場合もあります。
胎児異常
構造異常などの先天性疾患の頻度が単胎妊娠より若干高いと報告されています。
③ MD双胎特有のトラブル
双胎間輸血症候群(TTTS)
一絨毛膜双胎では、胎盤の中でお互いの血管が吻合しており、血液の交通があります。
血流のバランスが崩れ、一人が羊水過多、もう一人が羊水過少の状態で診断されます。
- 供血児(血液を送る児)
発育不全や腎不全による羊水過少を来します。 - 受血児(血液をもらう児)
過剰な血液により心不全や胎児水腫を来します。
MD双胎の約1割に発症します。
放置した場合には死亡や後遺症のリスクが高い状態です。
胎児鏡下吻合血管レーザー凝固術が可能な施設に紹介させていただくこともあります。
これらのトラブルを乗り切るため、当院では双胎妊娠のお母さんに、単胎妊娠のお母さんよりも頻回の受診(DD双胎では2週間毎、MD双胎では1週間毎)をお願いしています。状態によってはさらに頻回の受診や入院をお勧めする場合もあります。
3. 双胎妊娠の分娩
① 経腟分娩
- 双胎妊娠だからといって、必ず帝王切開で分娩という訳ではありません。
- 先進児が頭位(頭が先進した状態)の場合、より慎重な分娩管理を要しますが、経腟分娩でも帝王切開でも児への安全性は変わらないとされています。
-
当院ではより安全性を重視し、以下を満たすことを条件としています。
- 先進児、後進児ともに頭位(頭を下に向けている)であること
- 後進児が非頭位(逆子など)の場合には、妊娠 34 週以降 / 後続児の推定体重が 2000g 以上であること
- 前回帝王切開や子宮手術の既往がないこと
-
分娩経過中に母児に異常を認めた場合は、帝王切開での分娩に切り替えます。
双胎妊娠は単胎妊娠と比べ、分娩経過中に帝王切開に切り替える頻度は高くなります。
まれには、第一子を経腟分娩した後、第二子のみ帝王切開となることもあります。 - 母児の状態により、分娩予定日より前で誘発分娩をご提案する場合があります。
- 緊急での帝王切開や輸血に備え、あらかじめ術前検査と同意書を準備し、新生児科、麻酔科や手術室スタッフなどのバックアップが整った環境下で分娩を試みます。
- どうしても十分なスタッフのバックアップが得られない状況となった場合には、経腟分娩予定であっても、帝王切開への切り替えをご提案する場合があります。
② 帝王切開
- ①の条件を満たさない場合は帝王切開での分娩になります。
- 原則的には妊娠38週台で予定します。
- ①の条件を満たした場合でも、ご夫婦の希望により、帝王切開における合併症をよく理解していただいた上で帝王切開の選択も可能です。
- 突然の急激な分娩進行があった場合、思いがけず経腟分娩に至る場合もあります。
- 帝王切開については必要に応じて別紙を用いて説明します。
分娩時期が近づくと、改めて分娩方法を相談させていただきます。
担当医より、経腟分娩•帝王切開それぞれの説明を受けた上で、ご家族でよく相談してください。
