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2025年更新
徳島県立中央病院産婦人科部長 西村正人
徳島県立中央病院は病床数460床の急性期病院です。産婦人科は4名で診療にあたっています。産婦人科の診療としては、不妊治療は行なっていませんが、それ以外の周産期、悪性腫瘍、女性医学分野の診療を行なっています。
当院は腹腔鏡、ロボット手術の施設認定を取得しており、子宮筋腫や良性卵巣腫瘍の手術は極力腹腔鏡下の手術を行うようにしています。徳島県内では腹腔鏡手術の施行率はトップレベルで、腹腔鏡手術の技術認定医の取得を希望する若手の先生にとっては研修を行うには環境は整っていると考えます。最近では子宮脱に対するロボット支援下仙骨膣固定術も導入して、新しい術式にも挑戦しています。
悪性腫瘍の治療も症例数は増加しています。子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術や、若年症例に対して子宮を温存する広汎子宮頸部切除の手術を行うことも可能です。また子宮体癌の手術では、腹腔鏡下に行う手術に加えて、2025年2月から、ロボット支援下子宮悪性腫瘍手術も導入しました。また卵巣癌の症例に関しても、積極的な手術を展開しています。その一方で、機能温存治療としての子宮頸部上皮内腫瘍に対するLEEP切除やレーザー蒸散、若年子宮体癌に対するホルモン療法などの治療を導入しており、症例数も増加しています。婦人科癌に対する薬物療法は免疫チェックポイント阻害薬が導入され、目覚ましい進歩がありますが、最新の治療が受けられる体制を準備して治療にあたっています。当院は婦人科癌に対しては全国トップレベルの治療が行える施設と考えています。
当院はNICUも備えており、妊娠30週以降の早産に対する周産期医療も充実しています。精神科を併設していることから、精神科的なfollowが必要な妊婦の紹介が多いような印象があります。分娩時に必要な場合、いつでも小児科の医師が立ち合いをしてもらえる体制になっていますので、安心して分娩管理が行えます。助産師外来も開設しており、きめ細やかな妊婦への関わりができるようになっています。
産婦人科の医師数の割には手術を含めた症例は豊富であり、研修は十分できると思います。産婦人科を希望し、早く研修を積みたい若手の先生をお待ちしております。