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体外受精-胚移植について

4.当科における体外受精・胚移植の基本的なスケジュール

4-1  治療前周期

治療前周期の月経3日目頃に外来受診していただき、血液(ホルモン)検査を行います。

患者さんごとに卵巣刺激の方法をご相談します。

ロング法で行う場合は高温相7日目より点鼻薬(スプレキュア)を開始します。
スプレキュアを使用しても月経は普段通りに起こります。スプレキュアを始めて2週間たっても生理にならない場合はご相談ください。

4-2  治療周期

治療周期の月経が始まったら予約日に外来受診して下さい。経膣超音波検査および、血液検査を行います。
またこの時、採卵までの注射の日程を決めます。

4-3  治療周期 注射開始から採卵まで

当科では、あらかじめ採卵の予定日を決め、それに合わせて排卵誘発剤(●FSH/HMG)の注射をはじめます。
基本的には金曜日から注射を開始して、翌々週の水曜日が採卵日となるように設定します。

注射開始後5日目から経腟超音波検査で卵胞発育の様子を観察します。
スプレキュアは中止の指示が出るまで続けて投与してください。きちんと投与していないと採卵日までに排卵してしまい,体外受精ができなくなります。

卵胞が充分に発育したことを確認したら、スプレキュアは採卵日の2日前の就寝前を最後の投与とし、採卵日の約36時間前に卵子の成熟をうながす注射(hCG ●)をします。卵胞の発育が不良な場合は、注射を継続して採卵日を遅らせます。

4-4  採卵日当日

基本的に午前中に採卵を行い2-3時間休んでから帰宅する外来処置となります。

4-5  採卵日の翌日

午前中に受精確認を行います。結果を午前11時ころに説明します。

4-6  胚移植日(採卵の翌々日~6日後)

胚の状態を確認の上、子宮に戻す胚移植を行います。胚移植は数分で終わり、痛みはほとんどありません。
胚移植後10分~15分程度安静にしてからお帰りになれます。

4-7  胚移植のあと

1)胚の着床を助けるために胚移植後に注射,内服薬,または膣坐薬などを投与します。

例1)hCGの注射を3日に1回投与…3~5回
例2)プロゲステロン膣坐薬を毎日投与…10~14日間

退院後は普通に生活していただけますが、できるだけ安静を心がけてください。

2)基礎体温の高温相が20日以上続けば妊娠の可能性があります。

来院して外来で診察を受けてください。
月経になった場合も受診し、担当医と次回治療について相談してください。

4-8  その他

移植胚の数と凍結保存について

当科では多胎妊娠を防ぐため、日本産婦人科学会の勧めに従って、移植胚数は原則1個としております。
そのため、移植しない良好な余剰胚ができることがあり、患者御夫婦の同意が得られれば余剰胚を凍結保存します。(凍結同意書,夫婦のサインが必要)

胚移植の時期について

多胎予防のため採卵後5~6日目の胚(胚盤胞)を1個移植します。
場合によっては、採卵後2~3日目の胚(初期胚)を早めに移植すること、2個胚移植を考えることもあります。卵巣過剰刺激症候群の症状が強い場合などは、新鮮胚移植(採卵した月に移植すること)を中止し、育った胚を全て凍結(全胚凍結)して、症状が落ち着いてから融解胚移植を行います。

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