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体外受精-胚移植について

6.合併症について

6-1   卵巣過剰刺激症候群

卵胞を発育させる注射を行い、排卵を促す注射に切り替えてから数日して卵巣が過剰反応を起こし腫大することがあります。
卵巣には、穿刺した卵胞や排卵しないまま発育し続ける卵胞が多数存在し、卵巣の過剰な腫大を起こすと同時に過剰な女性ホルモンの分泌がみられます。さらに血液中の水分が血管の外に移行し、ひどくなると腹水や胸水がたまったり,血液の濃縮が進んで流れにくくなり、血栓症(脳梗塞,心筋梗塞など)を起こすこともあります。

卵巣過剰刺激症候群のおもな症状

腹部膨満 …お腹がはる、ウエストがきつい
乏尿  …尿の出が悪い、量が少ない、のどがかわく
はき気がする 胃が痛い 食欲がない 下腹が痛い 呼吸が苦しい …など


体外受精では、妊娠率を高めるために排卵誘発剤を注射することが不可欠です。当科では排卵誘発剤を使用するときは,卵胞発育の経過観察を慎重に行っています。また卵巣過剰刺激症候群を起こす可能性の高い人に対しては、排卵誘発剤の量を減らしたり、胚移植後の投薬方法を工夫して、その発生を予防するよう努めています。
しかしこのような方法で予防しても2~3%の患者さんには、入院加療を要するような卵巣過剰刺激症候群が発生しております。前頁のような症状がある場合は早めにご連絡ください。

6-2   腹腔内出血

採卵手術では卵胞を穿刺するため、腹腔内に多少の出血がみられます。ほとんどはそのまま吸収されて消えますが、血管の損傷などがあると出血が多量となり、輸血を必要としたり、開腹手術を必要とする可能性も否定できません。当科での採卵手術で出血のため重篤な状態に陥った例はありませんが、わずかながら危険性はあることを留意しておいてください。また,自宅に帰ってから気分が悪い,目の前がまっくらになる,ひや汗をかく,などの症状がありましたら直ちにご連絡ください。

6-3   骨盤内感染症

採卵手術後、細菌などによる骨盤内感染を起こすことがまれにあります。その場合、採卵後数日たってから、強い腹痛や発熱が出現します。抗生物質の投与により軽快しますが、炎症が強い場合は、その周期における胚移植を中止せざるをえないことがありますので、ご了承ください。

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